大気汚染の日

パリの交通事情については以前書いた通りだが、そのせいでもちろんほかの大都市の例にもれず、大気汚染が懸念されている。

 

その対策が大味なのだ。

一日「公共の交通機関をタダにする」という。

バスだってそうで、確か規定では奇数番号のバスはタダだったはずだ。

観光客にとってはうれしいのだろうが、パリ市民にとってはどうでもいい。なぜならみんな市内どこでも使える月ごとの定期券を持っていて、そもそもよく電車にのるからだ。

むしろとんでもなく多いパリのキセル乗車常習者が、大手をふって交通機関に乗れるという一日になっているとさえ思う。

 

そしてその副作用として電車の乗客がいつもより多い。どこの駅も普段の2~3割増しの人出だった。

その中でRER(日本でいうとJRみたいな感じ)のB線で故障というアナウンス。ただでさえ人が多いのに、ぞろぞろと行列ができている。

仕方がないのでバスに乗ったのだが、バスもまた混んでいる。

バスでチケットを買おうとするひと(バスは運賃制ではなくてメトロと共通のチケット制なので、バスの運転手から直接買える)に、運転手は「今日は無料です」と伝える。

なんで?と彼らは聞くのだが、運転手の答えがそっけない。「大気汚染だから」。