10月1日、2日はニュイ・ブランシュNuit Blancheという、パリ市内を使った芸術祭りが開催されていた。市のど真ん中、オテルドヴィルのあたりを中心に、セーヌ川沿いにいろいろな催しが企画されている。
道端に展示があったかと思えば、教会ではパイプオルガンの演奏があったり、美術館が夜遅くまで開館していたり。ライブハウスでも関連した催しが行われているし、屋台もまばらに出店している。
(実は日本でもこの試みは行われている。京都では同じ時期に、アンステイチュ・フランセを中心にして数々の展示がある)
僕も普段めっきり観光に行けていないので(もちろん本業のためである)、夕食後に出かけることにした。最初に行ったのが、ノートルダム大聖堂の夜間開放である。今回ノートルダムは初めてだったし、夜に中に入ったことがなかったので珍しいものを見たな、という印象。
スクリーンに「現代に生きるノートルダム」みたいな映像がかかっていた。
セーヌ川から見たノートルダムもやっぱり綺麗で、頻繁に横切る遊覧船バトームッシュのまばゆい光に邪魔されながらも、写真を撮る人がたくさんいた。
芸術祭といえど、すでに街並み自体が芸術みたいなもんだよな、と思う。日本の街並みだってそうで、そもそも文化や歴史、人々の工夫が積み重なって今の姿になっているわけだから。ある意味で作りたての工業製品とは違う時間の流れが感じられる。
2016年のニュイ・ブランシュ全体のテーマは「ポリフィルPoliphile」。これは、『ヒュプネロトマキア・ポリフィリ』という、恋物語の主人公の名前だ。主人公は夢の中で森をさまよい歩きながら、恋人を探し求める。
この写真はちょっと変わったパフォーマンス。アルコル橋という大きな橋の上で何か人だかりがしているなと思って見てみた。チェーンソーで木から削り出したハート(に見立てた木)を、参加者が斧でぶち壊す。そしてその壊した破片を隣で燃やす。「壊れたハートの制作」というタイトルのインスタレーション作品だった。(その2に続く)
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