ボン・マルシェ

7区、セーヴル・バビロン駅から降りてすぐ、有名ブティックが軒を並べる大通りに、ひときわ清潔でモダンなデパートがある。

それがボン・マルシェ Le Bon Marchéである。直訳すれば「いい市場」。そう名乗るだけあって、ここは良質な商品を所狭しと取り揃えた、いわゆる高級デパートだ。1852年創立以来、このセーヌ川左岸の一等地でその地位を守ってきたのは、高級なものだけではなく、ちょっとちゃんとした日用品や食料品などもラインナップ豊富だからだ。

 

今日は大学が終わって帰り道に、休憩がてらボン・マルシェを訪れた。紅茶とお菓子を買う。陳列棚の中では相当安いものをひとつずつ。写真の左側がドラジェ dragéeと言って、砂糖で外側をコーティングしたアーモンド形のお菓子だ。本来は結婚祝いにプレゼントしたりするのだけれど、僕は最初に食べた時から気に入っていて、久しぶりに食べてみることにしたのだった。

味は、こう言っちゃなんだけれども、ほとんどマーブルチョコである。

 

フランスに来ることに決めてから、何人かの友人の結婚報告を聞いた。大切な友人の結婚式だから、ぜひ出たかったのだが、 仕方がなく断念したことを思い出す。

 みんなお幸せに、と思いながら祝い菓子をかわりに食べる。