更新二日目にして二回目。
一月ほどはちょくちょく書いてみようと思うが、その先はわからない。ブログなんてただのひとりごとだから、こぼれ落ちてくる程度でちょうどいいのだ。
ひとりごとと言えば、隣の住人がたまにひとりごとを言っている。聞き耳を立てているわけではない。「まじかよお」とか「そんなわけないだろお」とか、それはそれは人間的な調子なので、思わずにやにやしてしまう。
逆側の隣人も奇妙な音を立てる。小気味いいリズムである。コンッコンッコン、スッコンコン。すこしハネたシンコペーションみたいに。
けだし、一般的に集合住宅において、住人同士は顔を合わせることがあまりないので、やり取りするのはこうした音だけである。だからこそ騒音によって住民トラブルが生まれたりするわけだ。けれども、隣人のたてる音は、囚人たちの密談のようにも思える。宛先のないモールス信号だ。
いつ出されるともわからない独房の中で、囚人たちは自分たちにしかわからない暗号で会話をする。会話といっても内容はあってないようなもので、自分の生い立ちや、その日の夕飯のまずさや、看守のうわさ話だ。ときどき、ここから出られたあとの話もしてしまうのだろう。気分は「ショーシャンクの空に」だ。
さて、さっきからまた隣人が軽快にシンコペーションを刻んでいる。
コンッコンッコン、スッコンコン。
繰り返されるリズム。
そして僕は、ふと音楽のことを思い出してしまう。
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