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PUNPEE「Modern Times」

ヒップホップは学生時代から好きで、よく聞いているが、今回ほど楽しみだったアルバム発売はそうない。

PUNPEE(パンピー)というトラックメイカー/ラッパー/プロデューサーの新しいアルバム、「Modern Times」である。

 

一般には、たとえばテレビ番組「水曜日のダウンタウン」のオープニングや、レッドブルのコマーシャルなどで最近おなじみになってきた感がある。だが彼は、ヒップホップファンの中ではこれまでつねに押しも押されぬ有名人であった。

 

たとえばUMB(アルティメット・エムシー・バトル)でのフリースタイル(即興ラップ)での力の抜けたパフォーマンスや、弟S.L.A.C.K.と組んでいたユニット、PSGの快進撃、そして最近ではベテラングループ、RHYMESTERのアルバムプロデュースなど、話題の仕事は枚挙にいとまがない。

 

そんなPUNPEE待望の新ソロアルバムが「Modern Times」である。

導入的な一曲目から人を食ったような毒気のあるナンバーだし、どの曲も新鮮な驚きのあるフルコースだった。

(RHYMESTERの「RESPECT」といい、GAGLEの「3 MEN ON WAX」といい、一曲目でふざけたアルバムは大好きだ)。

このアルバムにおいてひとを一番驚かせ、おそらくこのアルバムのコンセプトでもあるのが、「これが数十年後にどう聞かれるか」というタイムカプセル的なアイディアである。

ジャケット絵にあるように、BACK TO THE FUTUREのごとく、未来からこのアルバムの時代を振り返っているような視点。

PUNPEEの鋭い時代観がよく表れた一枚だと思う。