ケ・ブランリー美術館

フランスは10月末から11月頭にかけてトゥッサンのバカンス、と呼ばれるゴールデンウィークがある。

大体一週間程度なのだが、学生はお休みをもらい、友達と外国に出かけたりする。

11月1日がいわゆるトゥッサンの日本番で、この日は聖なる日とされている。フランスの暦では毎日守護聖人みたいなのが決まっているのだが、それら全員が集合する祝日なのだ。それでToussaintトゥッサン(全聖人)の日というわけだ。

 

僕はちょっと風邪をひいていて、旅行にはあまり縁が無かったけれど、ケ・ブランリーという古代史美術館を訪れた。

 

壁面緑地のオシャレな建物で、中はこんな感じの庭園になっている。ススキも生えていて、日本を思い出す。

(庭園・カフェだけなら入場料無料です)

特別展は「ペルソナ」展と「The Color Line」展。

中で写真が撮れなかったのだが、前者は人間らしさとは何かというテーマで、埴輪、ヒューマノイドや、火星人伝説、ラブドール、お化けなどの人間ではないけれど人間っぽいもの、の博覧的な内容だった。

展示の仕方もさることながら、「不気味の谷」や「オデュッセウス」などの用語解説もちゃんとしていてよかった。

 

写真はカフェブランリーにて。カフェヴィエノワ(ウィンナーコーヒー)を頼むとこんなボリュームだった。(ちなみに4.1ユーロ)

 

 

後者の展示では主にアメリカの黒人問題を扱っていた。

僕は知らなかったのだけれど、1900年のパリ万博ですでに、W・E・B・デュ・ボイスによって「黒人の労働者」というタイトルの展示が行われていたらしい。

その後もボクサーやマラソン、音楽などの分野でアフリカ系アメリカ人は目覚ましい活躍を遂げつつも、抑圧されたりリンチされたりしたわけだが、その様子が単なる文字資料ではなく、当時の新聞漫画や芸術作品によって示されており、とても興味深かった。

 

 

どちらの展示も、芸術作品と研究のバランスがとれていて、分量もボリューミーだった。

特別展と常設展合わせて12ユーロは安いと思う。

建物の大きさの割には結構歩いたので、帰りはもう暗く、庭園にはライトアップが施されていた。