地下鉄のスマホ

以前、パリでスマホを使っている人がほとんどいない、という話を聞いたことがあった。3、4年くらい前のことだ。

当時日本ではスマホが一般に普及しており、たとえば電車に乗ればほとんど全員が手元の画面をのぞいていた。明らかに一過性のブームではなく、今後もこうして移動時にスマホをいじる人ばかりになるのだろう、という話をしていた時のことだった。

パリジャンはスマホを使わないんだ、とその人は主張した。パリはスリがいて危険だし、何より電車でスマホを使うという姿が美しくないからだという。

 

僕がこのやりとりを思い出したのは、こないだ乗った朝の電車で、ほとんど全員がスマホをいじっていたからだ。

たしかにその中にはスマホじゃない普通の携帯もあった。(しかもメール見るのも面倒なくらい画面の小さい携帯)。でも当時パリジャンがスマホを使っていなかったのは、犯罪とか美的センスが理由なのではなくて、ただ一般に浸透してなかっただけなんだろうと思う。

 

ちなみにフランスは日本よりもSIMフリーの文化がある。携帯単体で購入し、そのあとSIMカードを契約することで電波が使えるようになる、という感じだ。SIMカードは年ごとのものや、月ごとに取り換えるものなど、いろいろだ。もちろん日本に持って帰ってもSIMカードを契約すれば使える。

僕はと言えば、まだ電波を使える契約をしていないので、Wifi(フランスでは「ウィフィ」と言う)が無ければインターネットができない。いつも、次のセーブポイントを探すRPGの主人公みたいな気分である。